小技も!

 阪神ドラフト1位の伊藤隼太外野手(22=慶大)が15日、イメチェンを宣言した。新人合同自主トレの休日を返上し、鳴尾浜で単独練習。高校、大学と封印してきたバントの解禁を予告した。

 「大学時代は多分ゼロですね。4番を打ってからは無死一塁、無死一、二塁の場面でもバントはなかった。でも練習ではずっとやってきたので、普通に出来ると思います。プロに入れば立場が変わる。求められれば、何でも出来るようにはしておかないと」

 前日14日、テレビ番組に生出演した和田豊監督(49)が、ドラ1ルーキーを2番打者候補の1人に挙げた。これまで主軸を務めてきた大砲も、プロ1年目はポジションを争う立場。備えあれば憂いなし、というわけだ。

 「高校でも公式戦では経験がない。下級生の時に練習試合で失敗して怒られた経験はありますが」

 中京大中京、慶大時代は押しも押されもしない主砲。決してスタイルをスケールダウンさせるつもりはないが勝利のためなら細かな仕事も率先する覚悟だ。

 「大学時代、三塁が深く守っていて、セーフティーすれば絶対セーフになる場面もあったんですが、出来ないというか、してはいけなかった。打てるのが一番ですが、今後求められればやっていきたい」

 30分間のランニング後、室内練習場で約1時間のマシン打撃。もちろんバント練習も欠かさなかった。打つだけじゃない。新たな武器も携え、大海原に飛び出す。

 ▼阪神新人の犠打数最多は、53年吉田義男の28個。プロ野球最多は97年ロッテ小坂誠の38個。シーズン犠打数の球団記録は10年平野恵一の59個で、プロ野球記録は01年ヤクルト宮本慎也の67個。阪神の通算犠打数チーム最多は吉田の264個。和田豊が212個で続く。昨季は主に3番の鳥谷が3個、マートンが1個決めていて、規定打席到達者では新井とブラゼルだけ犠打を記録していない。