阪神和田豊監督(49)が「鬼」になる。鳴尾浜球場でスタッフ会議を開いた22日、指揮官として自身初のキャンプへ向けて厳しい姿勢を打ち出した。まずは頻繁に行うという1、2軍入れ替えの基準についてだ。

 「声が出ないとか、そういう部分を大事にしていきたい。能力ということもあるが、そこにプラスアルファで覇気とかアピールするものが出てこないとね。過去にもそういうことがあった。第2クールで(強制送還)ということがね。そういうことも辞さない。厳しくやっていく」

 闘志を大事にする指揮官らしく、基本である「声」が出ていなければ、即刻2軍落ちもあるという。岡田監督時代の08年キャンプ、大和と野原将が「元気がない」と2軍へ強制送還された例を引き合いに出し、戦う姿勢の重要性を説いた。

 また、今回、1軍キャンプに選んだメンバーは宜野座キャンプでは過去最多となる44人だ。当然、競争は激しくなる。開幕1軍入りを果たすためには、過去最大のサバイバルを生き残らなければならない。

 「和田の考えとして、現時点では同じようなメンバーで戦う上でこのままでいいのか、危機感は持っている。メンバーが変わらなければ意識を変えないと。同じようにやれば同じ結果がついてくる。去年は優勝争いした訳でもない。4位からのスタート。最初に意識改革をやっていかないと」

 選手との対話を重視し温和なイメージが強い和田監督だが、沖縄では「鬼」の一面を見せることになりそうだ。【鈴木忠平】