ソフトボーイの“野球デビュー”戦が決まった。早大ソフトボール部出身で、日本ハム・ドラフト7位の大嶋匠捕手(21)が、7日に行われる紅白戦(名護)に出場することが1日、分かった。今年のキャンプ最初の実戦に、他の若手と同じようにチャンスが与えられる。この日は、初のフリー打撃で71スイング中、柵越えは1本。無難にキャンプ初日を終えた注目ルーキーは、初の実戦に意欲を見せた。

 乾いた打球音が球場に鳴り響いた。大嶋にとって初のフリー打撃。54スイング目だった。豪快な打撃フォームから放たれた打球は右中間最深部の芝生席に飛び込む“プロ1号”。周囲のコーチや選手から「おーっ」と声が上がった。「外野フライかなと思って、最後まで見ていませんでした。あとで聞きました。マシンなので参考にならないです」と、本人はいたって無関心。しかし、潜在能力の高さを初日から見せつけた。

 初ものづくしの異色ルーキーの硬式野球デビュー戦も決まった。第2クール初日、1軍がキャンプを行う名護で行われる紅白戦だ。「早く実戦で投手が投げる球を見たい」という思い通り、メンバーに選ばれた。名護球場(中堅118メートル、両翼97メートル)は、柵越えを放ったくにがみ球場(中堅122メートル、両翼100メートル)よりも狭い。得意の打撃を生かす絶好の機会となりそうだが「あまり欲を出さないように」と、無欲でアピールするつもりだ。

 この日、守備では新たな課題もみつかった。ブルペンで早大の先輩である宮本の投球を受けたが、62球中5球を捕球ミス。さらに、サインを出しながら実戦を想定した場面では、「(サインが)見えづらい」と指摘を受け、「テンパリました。サインの出し方がソフトボールとは全然違うので」と、早急な対応の必要性を感じた。

 午前10時から始まり、全メニューを終えたのが午後5時。目いっぱい頭と体をフル回転させた1日だった。「1日の流れはつかめた。ある程度、時間の使い方も分かった」と、収穫もあった。デビュー戦も決まり、今日2日は栗山新監督が2軍へ視察に訪れる。「やれることを精いっぱいやる」と、背伸びすることなく、等身大の自分をアピールし続ける。【木下大輔】