どこまで飛ばすにゃー。ソフトバンクの新外国人ウィリー・モー・ペーニャ外野手(30)が宮崎キャンプ初日の1日、フリー打撃で驚異的な飛距離を発揮した。ライナー性でバックスクリーンを直撃する推定150メートル弾や場外弾4本など41スイングで14本の柵越え。力加減はまだ7割程度でも逆風をものともしないメジャー84発砲に、秋山監督ら首脳陣も度肝を抜かれた。
注目の第1スイングで視線を独占した。テークバックの小さいフォームから軽くバットを振り下ろすと、三塁の頭上を越えた打球がぐんぐん伸び、ライナーのまま左翼芝生席に着弾。「あれはちょっとすごいな。ビデオで見ていたけど、そのままだな」。王会長と打撃ケージ裏にいた秋山監督も笑いが止まらない。16スイング目にはショートライナーのような軌道のまま左中間席に突き刺した。
ピンポン球のようにはじかれる打球にファンは拍手喝采の大盛り上がり。打撃投手が右腕から左腕に代わった23スイング目。アーチショーはヤマ場を迎えた。やや高いライナーが逆風を裂いてバックスクリーンへ伸び、上部の「10回裏」付近に激突する推定150メートル弾。大きな放物線あり、ライナーありで場外4本を含む14本の柵越えを数えた。
通算868本塁打の王会長が「すごかった」を連発し、437本塁打の秋山監督も「この辺に落ちるだろうと思ったのが落ちない。予想した地点と違う。さらに伸びるもんな」とうなった。同じ組で打撃練習した松中と小久保、多村という看板選手が飛距離ではメジャー84発の大砲に完敗となってしまった。
右打者にはアゲンストの風が吹いていたがお構いなし。練習後、さらに衝撃の事実が発覚した。ペーニャは「今は7割から8割の力でスイングしている。強く振ると空振りするから」と“リミッター”を証言。「毎年これくらい大きく打つのは当然のこと」とケロッとしていた。全開スイングとなればどこまで飛ぶのか…。昨年ベースコーチを務めた鳥越、井出の両コーチは「これはよく見ておかないと危ない」と身の危険を感じていた。
ペーニャ自身は「遠くに飛ばそうとは思っていない。コンタクトだけを考えている」と飛距離に特別興味はない。昨年は160メートル弾を放った逸話も残るが「自分は打った後、走らないといけないから見てないけどね」と笑った。「日本の野球スタイルに早く慣れたい。投手と対戦してどんな変化球を投げるか知らないと」。気は優しくて力持ちの助っ人は、行儀良く頭をぺこりと下げて球場を後にした。【押谷謙爾】【ペーニャ
アラカルト】
◆生まれ
1982年1月23日、ドミニカ共和国出身。
◆経歴
98年ヤンキース入団。02年レッズでメジャーデビュー。04年に110試合出場で26本塁打。レッドソックス、ナショナルズなどを経て昨年マリナーズと契約。メジャー通算599試合に出場し、打率2割5分、84本塁打。
◆バット
950グラムと970グラムの2本。メーカー担当者は「そんなに重いのを振る日本人はいない」
◆他球技
幼少時にはバスケットボールをした。ソフトボールもし「それが遠くに飛ばすコツかな」
◆あごひげ
いかつく見えるが「気分によって色を変えるよ」と七変化を陽気に予告した。
◆食事
肉より、母国で多い魚料理や豆料理が好み。「野菜は苦手」というが現時点で日本食のストレスはない。
◆家族
パトリシア夫人(31)と4カ月の長女ブリアーナちゃん。キャンプに同行している。
◆サイズ
191センチ、118キロ。右投げ右打ち。



