昨季の本塁打王中村剛也内野手(28)への4球目だった。12日に行われた紅白戦で西武菊池雄星投手(20)は勝負球に新球カーブを選択。外角低めに沈ませ、投ゴロに仕留めた。「カーブで打ち取れたのは自信になった。ボールになる変化球で打ち取れたのは大きかったし、一番の収穫かなと思います」と笑顔。昨年のオーストラリアのウインターリーグで習得した新球に、確かな手応えを得た。

 「全球種投げられて良かった」と振り返ったように、全ての球種を試した。米野智人捕手(30)には習得中のツーシームを試投。ボールにはなったが、今後への光は見えた。新球に可能性を感じたのは、渡辺久信監督(46)だった。「今までの雄星になかった縦の変化のボール。ピッチングの幅も広がってくるし、彼のものになれば変わってくる」と期待を込めた。

 中島へは持ち味の直球で勝負した。カウント1ボール2ストライクから内角ギリギリへ制球。中島が「いいボールだった」と認めたボールで、見逃し三振を奪った。2回を無安打無失点に抑える好スタートに「これからは結果も大事になってくる。先発6人の枠を必死になって争いたい」と開幕ローテ入りに堂々と名乗りを上げた。【久保賢吾】