新球場の“第1号”は地元沖縄出身の「シーサー」こと伊志嶺忠捕手(26)だった。楽天は16日、金武(きん)町で練習をスタート。創設8年目で初めて沖縄本島での練習拠点ができた。久米島を離れてもアーリーワークは変わらない。アップ、ウエートを終えた午前8時28分、伊志嶺の打球が右翼フェンスを越えた。昨年12月に落成したばかりの「金武町ベースボールスタジアム」で飛び出した最初のフェンスオーバーだ。

 試合ではないが、第1号に「うれしいですね」と素直に喜んだ。昨季は自己最多33試合に出場。1軍定着の大事なシーズンを前に、昨秋キャンプで右の腓骨(ひこつ)を疲労骨折した。離脱を味わったが「1日でも早く戻る」とオフもほぼ毎日、Kスタ宮城で自主トレ。今春キャンプは2軍スタートだったが、久米島での紅白戦で結果を出し本島行きの切符を手にした。「もう下には落ちたくないです」と力を込めた。

 第2捕手争いは一気に激しくなった。中日から小山桂が移籍し、新人岡島も1軍同行を続ける。ライバルは多いが「誰が相手でも負けられません」と真っ黒に日焼けした顔を引き締めた。【古川真弥】