日本ハムのドラフト7位ルーキー大嶋匠捕手(22=早大ソフトボール部)が、中田からの“金言”を胸に1軍生き残りを懸けたラスト1戦に挑む。28日、沖縄・名護キャンプが終了。1年目から無事完走したソフトボーイは、3月3日ヤクルトとのオープン戦(札幌ドーム)で左の代打として最終テストされる。同い年の4番候補から受けたアドバイスを生かし、結果につなげる構えだ。

 実戦9打席連続無安打と後がなくなった大嶋が、中田翔内野手(22)から1軍へ生き残るための3カ条を伝授された。「翔(中田)からは、本当にいろいろ教えてもらった。参考になる話が聞けた」。3月3日の最終テストを前に、1軍投手を相手にした打席での心構えをたたき込まれた。

 (1)真っすぐでガンガン攻めてくる

 左の代打として、1打席勝負を懸ける大嶋。キャンプ中の実戦は、自分と同じく1軍を目指す投手との対戦だった。今後のオープン戦では主戦級がどんどん登場してくる。中田はこれまでの経験をもとに対戦投手のイメージを植え付けた。

 (2)変化球を無理に打つ必要はない

 ソフトボールにはない横の変化への対応など、本人も意識していた部分。「最初は当たって砕けろというか、結果を求めずにいったのが良かった。後半は結果を欲しがってしまった」。配球などを考え込んで直球を見逃すなど、らしくない打撃を繰り返した。「うまく変化球を打とうとするな」というひと言で悩みもぶっ飛んだ。

 (3)直球を打てれば1軍でも通用する

 8日紅白戦で見せた“初打席初本塁打”は、直球をとらえたものだった。前日27日の練習試合、韓国サムスン戦で見逃し三振に終わった外角低め145キロ直球を「130キロくらいだと思いました」と振り返るほど、球筋は見えている。安打を重ねてきた直球をきっちり打つことで、他の球種も対応できると説かれた。

 この日、プロ初のキャンプを打ち上げた。ルーキーながら、全日程を完走。「本当にこの1カ月が非常に早く終わっちゃったな、と。今ごろは鎌ケ谷で練習していると思っていた」。貴重な経験を積んだ28日間で、急速に仲を深めた4番候補からのアドバイスを胸に、左の代打候補が結果を残してみせる。【木下大輔】