<オープン戦:日本ハム3-3ヤクルト>◇4日◇札幌ドーム

 どこまでいっても悩みは尽きない!?

 日本ハム栗山英樹監督(50)が4日、開幕投手争いの“延長戦”を宣言した。この日のヤクルト戦に先発した武田勝は、3回3安打無失点と好投。前日に登板した斎藤との「一騎打ち」は、両者の本拠地登板を終えて最終判断する意向を示していたが「その設定を変えます。ギリギリになるかもしれない」と、次回登板以降に持ち越しとすることに決めた。

 武田勝は期待通りの安定した投球内容だった。「緊張感があった」という初回こそ、変化球が高めに浮いて走者を背負ったが、2回にはすぐに修正。「球数を少なくできたこともよかった。あとはもっと低めをついて、ゴロを打たせるのが課題ですね」。経験、実績に裏打ちされた、信頼度抜群のマウンドさばきだ。

 ここまで実戦4試合14回を投げ9失点している斎藤とは、数字の比較では明らかな差がある。だが、栗山監督には、さらに深い思考があった。「(開幕戦は)普通に考えたらエースでドーンと勝負なんだろうけど…。どういう形で勝負すれば、このチームのプラスになるのかを考えている。開幕戦だけを考えているわけじゃない。内容だけを見て決めるのは簡単」。ときには眉間にしわを寄せながら、自分に言い聞かせるように言葉を紡いだ。

 開幕投手となれば、ローテーションの関係から相手エース級の投手とぶつかる機会が多くなることや、人気が高く将来性を買っている斎藤で開幕戦に勝利した場合のチーム内外にもたらされる勢い…etc。シーズン先までを見据え、総合的に判断して決断するつもりでいる。

 とはいえ、早めにチーム方針が固まった方が、全員の気持ちが1つの方向へ向かいやすいのも確か。これも「ダルビッシュが抜けた穴」の影響か…。【本間翼】