<オープン戦:西武8-3広島>◇13日◇西武ドーム

 今度こそ完全復活だ!

 広島梵英心内野手(31)がオープン戦初のマルチ安打&初盗塁の活躍を見せた。左膝のケガから復活を期した今季だったが、2月19日の紅白戦(天福)でスライディングした際に左膝を打撲。調整に遅れが出ていたが、患部の不安を払拭(ふっしょく)するスピードを見せつけた。

 特権を行使した。5回1死で一塁走者の梵は、続くバーデンの打席の4球目にスタートを切った。投球は内角の直球で、捕手炭谷も素早い送球を見せる。二塁ベース到達は際どいタイミングになったが、スピード感あふれるスライディングでタッチをかいくぐった。

 梵

 (怖さとか)そんなことを言っていられない。僕は基本的に(盗塁は)フリーなので行かないといけない。成功して良かった。

 左膝の不安を感じさせない走塁だった。昨季は左膝膝蓋(しつがい)骨骨挫傷で、52試合の出場にとどまった。再起を懸けた今季だったが、キャンプ中にアクシデントに見舞われた。

 2月19日の紅白戦(天福)で、2打数2安打2盗塁と大暴れ。だが、この試合のスライディングで再び、左膝に違和感を覚えた。左膝の打撲と診断され、23日からは3軍リハビリ組で調整を余儀なくされた。大事には至らず、26日から1軍に再合流したが「あの日」以来の盗塁だった。

 野村監督が目指す、走る野球を体現できる貴重な存在だ。指揮官も「梵は走れる。スピードもあるし、動きも問題ない」と信頼を置く。だが、チャンスメーカーとして、梵は納得していた。「もっと塁に出ないといけない」と課題を口にした。

 一時同点に追いついた3回の攻撃は、梵が起点となった。菊池の外角直球に逆らわず、右中間を深々と破る二塁打。そこから、ニック、栗原の連打で2点を奪った。5回1死からは、つまりながらも中前に落とすしぶとい安打。マルチ安打は、オープン戦5試合目で初めて。これまで、わずか1安打だった打撃も上昇気配だ。梵が出塁し、中軸でかえす。10年盗塁王の完全復活が、鉄板の得点パターンを確立させる。【鎌田真一郎】