調子の上がらない阪神新井貴浩内野手(35)が、「秀吉」になった。京セラドーム大阪でのチーム練習で22日、外野を横断しながら捕球を行う「アメリカンノック」を志願した。鳥谷とともに外野を全力で7往復。必死にボールを追いかけ、何度も人工芝に倒れ込んだ。
「体のキレを出すという感じかな。特に話すことはないよ」
鳴かぬなら鳴かせてみよう-。オープン戦打率は1割1分1厘。打席での感覚は悪くなかったためこれまでは「問題ない」と泰然自若としていたが、開幕8日前に動いた。技術面よりも、思い切り汗をかくことで体のキレを出すとともに、心のモヤモヤも飛ばしたかったのかもしれない。
開幕戦を想定したオーダーを組んだ前日の広島戦では4番に座った。昨季打点王が今年も打線の軸になることは確実。最終調整に入っている中での行動に、必死さが現れた。
前日、オープン戦6度目の完封負けを食らい、和田監督が「気持ちを奮い立たせていかないと」とナインを叱咤(しった)した。目覚めたかのように、この日の投内連係は大きな声が乱れ飛び、打撃練習も各自で持ち時間を変えて取り組んだ。新井をはじめ全員が「鳴かせる」ためにエンジンをふかし始めた。【柏原誠】




