<広島1-4阪神>◇11日◇マツダスタジアム

 広島栗原健太内野手(30)が、開幕11試合目で今季初打点をたたき出した。4点を追う8回2死二塁で、阪神久保の外角低め直球を右前へ運んだ。チームは、5回に福井のブラゼルへの内角球を発端に両軍がベンチを飛び出してもみ合うなど、荒れた展開の末に敗れたが、主砲があきらめない姿勢を見せつけた。

 栗原が不穏な空気を一変させた。序盤で4点のリードを許し、5回には福井のブラゼルへの内角球をきっかけに、両軍が総出でベンチを出てもみ合った。ブラゼルが挑発行為で退場となり、球場全体は異様な雰囲気に包まれた。そんな空気に飲まれたように打線が湿る中、4番が意地を見せた。8回2死二塁。久保の外角低め直球を右前に運んだ。今季43打席目で、初の適時打が生まれた。

 栗原

 いつもに比べたら、そういう(ホッとした)気持ちになりました。自分のスイングが出来れば、打てると思って、辛抱していました。

 レギュラーに定着した06年以降、最も遅い初打点。少し胸のつかえが取れた。ここまで、得点圏で12打数0安打5三振。4番の仕事を果たすことが出来ずにいた。復活の兆候はあった。前日10日の阪神戦で21打席ぶりの安打をマーク。この日も、2打席目に左前打を放っていた。マルチ安打は、3日巨人戦以来、7試合ぶりだ。

 本拠地に戻ってから、連日の荒療治を施されていた。前日10日の試合前練習で、打撃不振に陥っていた主砲はポール間を走った。約20分間、汗をしたたらせ、大声を出しながら芝生の上を疾走した。シーズン中に、主力選手がアメリカンノックを受けるのは珍しい。しかも、この日の試合前にも、同じ苦行を味わっていた。

 町田打撃コーチは、「頭で考えていても、体が動かないことがある。考えても計算が成り立たないことがある。本人が何か変えるために、吹っ切れないと」と意図を説明。首脳陣も、4番の復調の兆しを見いだすために必死だった。

 4番として、打点に一番のこだわりを持っている。昨季はシーズン終盤まで、阪神新井と打点王争いを繰り広げ、6点差でタイトルを逃した。目の前で、その新井が2本塁打4打点。燃えないはずがなかった。

 栗原

 先は長いので、やり返したいと思います。

 チームは敗れたが、4番は少し遅めの“開幕”を迎えた。【鎌田真一郎】