<ソフトバンク0-1楽天>◇22日◇熊本

 エースのいないマウンドは、俺らが守る。楽天投手陣がソフトバンク5回戦で無失点リレーを果たし、勝利した。この日、田中将大投手(23)が腰の張りのため、出場選手登録を抹消された。最短10日での復帰が待たれるが、マー君不在のハンディを全員で乗り切る。

 同点の走者を二塁に置いた7回2死、ソフトバンクの代打小久保を迎えた。極めてスリリングな場面で、3番手小山伸一郎投手(33)がコールされた。三塁側ファウルゾーンの屋外ブルペンから、のそりと歩き出す。いつもの半袖スタイルで、マウンドに上がると「力で行く。押して、押して」と初球からエンジンを吹かした。カウント1ボール1ストライクから、最後は143キロ真っすぐ。ボールは高かったが、球威が上回った。左飛に打ち取った。

 試合前の練習中、悪い知らせが飛び込んできた。田中が登録抹消。8回も続投し、3者凡退に抑えた小山伸は「すぐ帰ってくると思いますよ」と冷静に受け止めながら、こう続けた。「あいつに頼ってきた部分が多かった。帰ってくるまで、勝ち続けたいですね」。昨季、田中は1人で14完投もした。先発日には「今日は出番がないな」と、救援陣に思わせていたほど。その絶対エースの離脱に直面し、投手陣全員が決意した。

 先発で6回無失点の戸村健次投手(24)は「任された試合は0に抑えます。みんなでカバーしないと」。2番手片山も「田中1人に投げさせて、負担をかけてしまった。いない間に良い流れを作って迎えたいです」と口元を引き締めた。9回を締めた守護神ダレル・ラズナー投手(31)も、同じ思いに違いない。

 この日は、野手陣も守りでカバーした。2回1死二塁では、長谷川のライナーを二塁内村が好捕。4回には長谷川の中前打でホームを狙った二塁走者松中を、聖沢が好返球で刺した。8回には、左翼鉄平が内川の左飛をスライディングキャッチ。好守連発もあり、1-0の逃げ切り勝利。星野監督は「投手も含めた守り勝ちだ」と高く評価した。代わりはきかないエースがいない間、チーム一丸で戦うだけだ。【古川真弥】