<楽天4-5オリックス>◇26日◇Kスタ宮城

 エース不在の救世主となれ!

 2年目の楽天美馬学投手(25)がオリックス6回戦にプロ初先発し、5回6安打3失点で今季初勝利はならなかった。2回に先制点を与えると、4回は安打と2四球で2死満塁とピンチを広げ、坂口に2点適時打を浴びた。田中将大投手(23)が腰痛で離脱し、先発の駒不足が現状。接戦に敗れて4連勝を逃したが、美馬の投球を今後の好材料としたい。

 ひるむことなく美馬は腕を振った。1回、四球と安打で1死一、二塁。4番李大浩を143キロの直球で力ない二ゴロに打ち取り、併殺でピンチを切り抜けた。プロ初先発の初回は堂々たる投球だった。5回3失点で降板したが、最速145キロの直球を中心に真っ向から攻めた。「緊張はしなかったです。ただボール球が多くてリズムが悪かった」と悔しそうに振り返った。

 昨季は新人ながら開幕1軍を果たし、中継ぎとして23試合に登板した。だが連投の疲れから、右肘痛を発症し7月以降は1軍に昇格することはなかった。「中継ぎで連投するよりも休ませて先発で使いたい」という星野監督の意向もあり、今年2月のキャンプから先発を意識しながら調整した。ブルペンでは常に100球以上がノルマ。美馬は「去年はイニングまたぎができないと言われてきた。長い回を投げられるようにはなったと思います」と着々と投げる体力をつけた。

 ハートが強い。入団会見では「抑えをやりたい」と堂々と宣言した。好調時の直球は150キロを超え、身長169センチと思えないほど威力は十分。星野監督も「肝っ玉は据わっとるよ」と認める強心臓の持ち主だ。この日はエース田中の離脱で巡ってきた登板。前日に田中の穴を埋めたいか問われても「全然です。自分は自分でやろうかなと思います」と話すなど、芯を強く持っている。それでも先発陣の駒不足で台所事情は厳しいまま。28日からは9連戦が控え、美馬にかかる期待も大きい。

 チームは競り負け4連勝は逃したが、星野監督は美馬について「ボールそのものはまぁまぁ。くだらない四球が多かった。本人が一番悔しいだろう。チャンスは与えるよ」と奮起を促した。先発として5回という最低イニングは投げきった。だが美馬は「先発が5回で終わっていいことはないので。チャンスがもらえたら、いいリズムを作れるように頑張りたい」。この悔しさは次回登板に思い切りぶつける。【斎藤庸裕】