<中日3-0阪神>◇3日◇ナゴヤドーム

 あっぱれ、すくい投げ!

 中日雄太投手(31)が阪神を7回5安打無失点に抑え、今季初勝利を挙げた。左太ももを痛めて登録を抹消されたエース吉見一起(27)の穴を埋める快投に導かれ、チームは今季10度目となる無失点リレー。非常事態にも動じない投手力を見せつけ、3度目の5連勝で単独首位に立った。

 エース不在の危機を救ったのはリベンジに燃える雄太だった。課題だった序盤を切り抜けると、最大のピンチとなった4回2死一、三塁の場面でも冷静そのもの。外角球を立て続けに投げ込み、6番ブラゼルを空振り三振に仕留め、左手を握りしめた。5回以降は危なげなし。7回無失点、無四球で盤石の救援陣にバトンを渡した。

 窮地を救った勝利の立役者は今季初のお立ち台でも謙虚。満員御礼の本拠地を見渡してペコペコと頭を下げながら質問に答えた。

 雄太

 いろいろと迷惑をかけてきたのでリベンジのつもりでいった。吉見がケガをしてしまったので代わりではないですけど、一生懸命投げました。

 屈辱がバネになった。今季初登板となった4月10日の巨人戦で1回4失点でKO。続く14日阪神戦でも2回3失点と散々な内容で2軍落ちを言い渡された。約2週間のファーム生活で考えたことは「シンプルに考えること」。邪念を捨てて三度目の正直で結果を出した。

 雄太

 どんどん飛ばしていこうと思いっきり腕を振った。点差も相手も考えずにいった。

 登録名は今季、川井雄太から名前だけの雄太(ゆうだい)に変更。記念すべき1勝になったが、チームにとっても大きな白星だった。前日2日に吉見が左ももの肉離れで登録を抹消された。大黒柱が消えるという緊急事態。試合前に「(先発ローテを)組み直す」と渋い表情を浮かべていた権藤投手コーチも試合後にはえびす顔に変わっていた。

 権藤投手コーチ

 チームの勢いに乗ったのは確か。2回からなんとかいけるかなと思ったけど。4回?

 一番いいところで一番いい球を投げた。

 マウンドに上がった投手がことごとく結果を残す。これが単独首位に返り咲いた強さの秘密だ。チーム防御率は12球団トップの1・55。これで28日からの黄金週間は5勝1分けと負けなし。しかも、6試合の失点はわずか3点だ。エースが抜けても揺るがない。守道竜が簡単に崩れることはない。【桝井聡】