<広島6-8阪神>◇8日◇ハードオフ新潟

 広島ニック・スタビノア外野手(30)が止まらない。新潟で3打席連続アーチを放った。2回、左翼席へ先制5号ソロ。4回、またも左翼席へ6号ソロ。さらに5回にも左翼席へ7号2ラン。4打席目も遊撃内野安打を放ち、来日初の猛打賞をド派手に決めて「感触としてすごくよかった。ためをつくって前にはじくことができた」と振り返った。

 見せ場は4回の2発目だ。3球目、左翼ポール際に大飛球を放ったが、判定はファウル。野村監督がベンチから飛び出し、審判団に確認したほど微妙だった。ただ、今のニックは集中力を切らさない。フルカウントから左翼席に放り込んだ。圧巻の「打ち直し弾」だった。

 「ホームランはそんなに簡単に打てるものじゃない。そういう意味では気持ちの乱れは多少あったけど、切り替えていった。初心に戻ることができたよ」。幻のアーチも含めれば“4発乱れ打ち”。右肘の手術を受ける栗原の今季中の復帰は絶望的になる中、主砲の穴を埋めようという心意気がプレーに表れている。

 ▼ニックが3打席連発。1試合3打席連続本塁打は10年6月29日にラミレス(巨人)とブラゼル(阪神)が記録して以来で、統一球採用後は初。来日1年目の外国人選手としては97年ウィルソン(日本ハム=4打席連発)以来となり、広島では初めてだ。広島選手の1試合3打席連続本塁打は、65年興津、90年アレン、94、98年江藤に次いで4人、5度目だが、試合に勝ったのは興津だけ。広島選手の3打席連発は、なかなかチームの白星に結び付かない。