<DeNA2-1阪神>◇12日◇横浜
いやあ~惜しかった…。そして恐れ入った。DeNA三浦大輔投手(38)が得意の虎狩りだ。8回まで無安打の快投。9回に1点を失ったが、早くも今季3度目の完投でリーグトップタイの4勝目。通算147勝目で、阪神戦は今季2勝で通算45勝目(20敗)。新球団の今季、生え抜きエースが復活を改めて印象づけた。
DeNA三浦は、打球が右翼フェンスに直撃すると、1度だけ首をかしげて、うなずいた。自身初のノーヒットノーラン達成まであとアウト3つで迎えた9回。先頭桧山に140キロ直球を痛打された。「その気になってマウンドに上がったら、打たれました。でもチームが勝ててほっとしました」。併殺崩れの間に1点を奪われ、完封も逃したが、今季3度目の完投勝利。遅ればせながらチームに10勝目をもたらした。
プロ21年目の38歳。好調の理由は「運だよ」と笑う。そんなベテランがこだわり続けるものがある。「同じフォームで、同じ力の入れ方で投げられれば、同じところにボールはいく。ここぞっていう時に、同じところに同じボールがいく。難しいのはその再現」。
キャンプ中の2月22日に251球の投げ込みを敢行したのは、その理想を体に覚え込ませるため。疲れから余計な力みが消えたとき、「しっかりスピンのかかった、これだというフォームで投げられる」という。
49歳でメジャー最年長勝利記録を更新したモイヤーの投球を見て、あらためてその意識を強くした。常にメジャーの試合をチェックしてはいないが、左腕の老練な投球術には、関心を持ってきた。「見ているのは、フォームの全体的なバランス。ここぞっていう時に、いい球の再現性があるから、あの年で結果を出せるんだと思うよ」。
10歳以上年上のメジャー投手から学んだ投球を、自らも実践して見せた。1回2死一、二塁で新井貴を投ゴロに切って取ったスライダー。9回1死一、三塁でマートンを同じく投ゴロに仕留めたのも、外角低めへ投じたこの球。ここぞというピンチで「狙い通り」(三浦)に決め球を再現させた。
「モイヤーとか見ると、俺なんかまだまだベテランじゃないと思うよ」。その言葉通りの112球を見せつけた。【佐竹実】



