巨人がセ史上初の快挙をもぎとる。15日、ジャイアンツ球場で全体練習。約2時間のうち、一部を非公開にして準備を進めた。ペナントレース序盤戦は最大で借金7までふくらんだが、交流戦を前に5割に復帰。ただ、交流戦ではセ球団が優勝したことは1度もない。原辰徳監督(53)は「自分たちの勝ちパターンというか、自分たちの形で戦えるのが一番」と、上り調子のチーム状況そのままに、パ球団に立ち向かうつもりだ。

 初制覇に向け、2年目の宮国椋丞投手(20)が先陣をきる。ここまで5戦に先発し、防御率1・38と安定感は抜群。今季から1軍に定着し、交流戦はおろか、オープン戦でもパ球団との対戦がない“秘密兵器”を開幕投手に抜てきした。11日に先発を告げられた宮国は「その日に投げると思っていなかったのでびっくりしましたが、その時だけで、今は大丈夫です。チームが勢いに乗れるように、しっかりゲームメークしていきたい」と、堂々と話した。

 2戦目の先発は百戦錬磨の杉内が濃厚。昨年のソフトバンクでの優勝に続き自身2連覇へ「今まではパ・リーグが優勝してきてる。そろそろセ・リーグでという中で、それがジャイアンツでありたい。なんとか交流戦で優勝して、弾みをつけたい」と、強い意欲を示した。

 今季のパはダルビッシュをはじめ、岩隈、和田がメジャー移籍。杉内、ホールトンは強敵から味方に変わり、戦力から見ても十分に勝算がある。「打倒・パ」の戦いの中で頂点を勝ち取れば、おのずとペナントレースへの貯金もつくれる。セ球団初の交流戦制覇の名誉とともに、原ジャイアンツが目指す「日本一奪還」を一気に手繰り寄せる。【為田聡史】