<広島1-0日本ハム>◇19日◇マツダスタジアム

 1球に泣いた。6回。日本ハム斎藤佑樹投手(23)は、真っすぐに左翼席へ伸びていく梵の打球を後悔の表情で見送った。カウント1ボール2ストライクと追い込んでいただけに「失投ですね。チェンジアップだったんですけど…。もっと慎重に投げるべき球でした」と不用意な1球を悔やんだ。

 2年前まで東京6大学リーグでしのぎを削った1歳下の広島野村と演じた投手戦は、この1球で決着がついた。自己ワースト9失点だった前回登板から、中6日。初の交流戦登板は、6回4安打1失点と納得の投球も、3敗目を喫した。

 明大のエースだった野村とは、早大時代にしのぎを削った。1月、春季キャンプで沖縄入りした際には、偶然同じ飛行機に乗り合わせた。かわいがっているというだけでなく、投手として尊敬もしている。「野村がすごくいい投球をしていたので、仕方がない」と、完敗を認めるしかなかった。

 栗山監督は「開幕投手を務めた投手が、先に点を取られてはダメ。ただ、勝敗に関しては斎藤のせいではない」と責めることはなかった。斎藤は「今日みたいな試合を勝って、自分の役割を果たしていかないと」と自分自身を奮い立たせた。開幕投手を任された自覚。1球に泣くのは、もうこりごりだ。【中島宙恵】