<阪神2-3楽天>◇19日◇甲子園

 あと1点が遠かった。和田阪神が交流戦開幕から3連敗を喫し、今月6日以来の借金1となった。不振のブラゼルを今季初めてスタメンから外し、関本を先発起用した。その打線は4回に新井の適時打で先制したが、追加点を奪えず。能見が逆転を許した後の反撃もあと1歩及ばなかった。

 「ワンチャンスで点が取れたけども、もう1点というところを先に取らないと。リードしていても、常に追いつめられているような展開になってしまっている。打線に奮起してもらうしかない」

 和田豊監督(49)が言及したのは、打線だった。エース能見だけに1点を守りきるパターンも考えられるが、指揮官は追加点を奪えないことによる重圧を感じ取っていたようだ。05年から始まった交流戦だが、開幕から3連敗は球団史上初めてだ。

 ただ、マイナス材料ばかりではない。9回にはスタメン落ちのブラゼルが二塁手のグラブをはじく、内野安打を放った。指揮官は「H」ランプがともることによる変化を期待した。

 「(途中出場は)早いうちに(状態を)上げてもらうためのもの。(1打席に)集中していった方がいいこともある。内野安打だったけど、これからの変化を期待したい」

 また、8回には元気者・新井良が追撃弾を放って、沈みがちだった球場の雰囲気をがらっと変えた。

 「本当に、元気のある選手をうまいこと使って、盛り上げられるようにやっていかないといけない」

 完敗を喫しているわけではない。まだ40試合。まだ4・5差。反撃の時はきっと来るはず。【鈴木忠平】