<オリックス6-0阪神>◇22日◇京セラドーム大阪

 27歳の新人が、ド派手な1発をぶちかました。オリックスの川端崇義外野手(27)が、プロ初本塁打を満塁本塁打で記録した。0-0の6回1死満塁で、阪神メッセンジャーの初球を迷わず振り抜いた。連敗を6で止めた19日のヤクルト戦に続く決勝打。T-岡田が先発出場できない中、ドラフト8位の新人が大きな仕事をやってのけた。

 オリックスのルーキー川端が、衝撃のプロ1号を放った。0-0の6回1死満塁でメッセンジャーの初球、内角フォークを左翼席にぶち込んだ。「満塁弾は少年野球ではあったかも。覚えてない。プロで本塁打はずっと出ないんじゃないかと思っていた」。プロ1号がグランドスラムは、球団では56年4月11日の米田哲也以来、56年ぶりだった。

 国際武道大時代は大引、巨人長野らとともに06年大学日本代表。だが社会人に進んでも毎年ドラフト候補止まり。176センチ、80キロは見栄えがする体格ではない。足は速いが、走る姿が手を抜いているように映り、スカウトたちに敬遠された。遠投、打球の飛距離、守備範囲…。何かが突出しているわけではなかった。それでも「永遠に、待ち続けるつもりだった」。昨秋の指名順位は最後の8位だった。

 19日ヤクルト戦でも延長11回2死満塁、走者一掃の二塁打で連敗を6で止めている。「1日1本、絶対に」がモットーのオールドルーキーは数字に表れない勝負強さが長所だ。川端を抜てきした岡田監督も「あの満塁で初球から振れる。ホームランとは。最高の仕事をしてくれた」と驚いた。

 ホームで古巣阪神を粉砕して交流戦通算100勝。最下位も脱出し、岡田監督は「急に100勝にはならんからな。この時期はシーズンで一番、大事。相手の戦力、自分の戦力がわかってきて、残り100試合。上がっていかんといかんからな」。交流戦の鬼が手応えをつかんだ。【益田一弘】

 ◆川端崇義(かわばた・たかよし)1985年(昭60)2月4日生まれ。静岡県出身。東海大相模(神奈川)-国際武道大-JR東日本。11年都市対抗は左翼手で1、3番を打ち初優勝に貢献。同年ドラフト8位指名でオリックスへ。176センチ、80キロ。右投げ右打ち。