<楽天1-3阪神>◇5日◇Kスタ宮城
杜(もり)の都で健在ぶりを見せつけた。阪神金本知憲外野手(44)が、思い入れたっぷりの仙台で、今年もアーチをかけた。4回の先制ソロは、05年からの交流戦では09年を除いて毎年お見舞いする恒例の1発となった。4月1日以来2カ月ぶり2号で、2年ぶりの4番弾。史上2位となる通算223人目の投手からの1本は、44歳初アーチとなった。
4回、金本が楽天美馬の速球を完璧に捉えた。打球は右翼スタンドまで美しい弧を描いた。4月1日の開幕第3戦で今季1号を放って以来、47試合、162打席ぶりの1発。やはり仙台はアニキの舞台だった。
「仙台では本当によく打てます」。本人の言葉に実感が込められていた。通算22試合で9本目。交流戦開始後は09年を除くシーズンで放っている。高校卒業後、浪人を経て東北福祉大に進学。そこで恩師・伊藤監督と出会い、仲間たちと全国に名をとどろかせた。
そんな“第2の故郷”が、昨年、東日本大震災に襲われた。パ・リーグが開幕延期を決め、セ・リーグは通常開幕を目指す中、金本は声明を発表した。「被災者の方のことを考えると野球どころじゃない-」。この後、セも延期を決めるが、その流れの中で、この声明は重かった。
今も仲間が暮らし、恩師が眠る街は不思議な力をくれるのか。
それだけではない。これで通算472本塁打。この日の美馬が223人目の投手。驚くことに金本は通算200本目までを誰から、どの球を打ったか、ほとんど覚えているという。「真っすぐと変化球、どっちが多いんかなと思って200本までのホームランをすべて書き出したことがあるんよ。そうしたら、ほぼ同じだった。真っすぐに負けないようにと思って、やってきたから真っすぐだと思っていたけど」。
相手の心情を察しつつ、速球も、変化球もスタンドに放り込める。だからこそ、相手から恐れられる。この日、打ち返した146キロの速球は美馬の最速だった。44歳になった今も、速球に負けないスピードとパワーを誇る。阪神の4番にふさわしい姿。やはり、金本にはホームランがよく似合う。【鈴木忠平】
▼金本が44歳の誕生日(4月3日)を過ぎて初アーチ。44歳以上で本塁打は岩本義行、野村克也、門田博光、落合博満に次いで史上5人目(最年長は岩本の45歳5カ月)。自身のセ・リーグ最年長本塁打を更新した。美馬からは初の1発。本塁打を放った投手は通算223人目になり、多くの投手から本塁打を放った記録では最多のT・ローズ(228人)に次ぎ、223人で2位の清原和博、山崎武司に並んだ。




