<DeNA1-4日本ハム>◇8日◇横浜
日本ハムが栗山英樹監督(51)の好采配で価値ある1勝を挙げた。稲葉篤紀外野手(39)を今季初めて完全休養させ、代役起用したマイカ・ホフパワー内野手(32)が、2点リードの6回に中押し弾を放つ活躍で快勝。これで交流戦でのDeNA戦は3連勝となり、貯金も今季最多の10。巨人、ロッテがそろって敗れ、交流戦首位も視界に入ってきた。
勝利を見届けると、栗山監督は満足そうに両手をたたいた。先制、中押し、ダメ押し。「安定感のある戦いができた。それぞれの選手がきっちりと(仕事をした)。これがファイターズの野球」。横綱相撲で、貯金を今季最多の「10」に伸ばした。
31回目の勝利は、ただの1勝以上に価値のある白星となった。この日のスタメンに、稲葉の名前はなかった。打率リーグ2位(3割3分)を打つ中軸が、今季初めての欠場だった。
栗山監督は北海道から関東へと移動した前日7日、自身がつくった栗の樹ファーム(北海道栗山町)で芝の種まきや芝刈りなど、グラウンド整備を行ってから空港に姿を見せた。「けっこうな力仕事。作業をしていると没頭できるんだよ」。大自然の中で、一瞬だけ厳しい戦いの世界から解放された。
作業着から移動用スーツに着替えると、“戦闘態勢”に戻った。頭に浮かんだのが、53試合フル出場を続けていた稲葉のこと。「どこかで休ませよう。技術はわかっているから、コンディションだけ」。8月には40歳を迎える。体調を懸念していたが、いいタイミングで、いい形で休養を与えることが出来た。
さらに、その代役として起用したホフパワーが2点リードの6回、右翼場外へ消える特大の一発を放った。一塁手には、5本塁打を放っている同じ左打者のスレッジもいたが、対左投手に対して打率のいいホフパワーを起用し、それがピタリと的中した。「使ってくれた監督に感謝したい」。少ない出場機会でも、腐ることなく、見事に期待に応えてくれた。
交流戦優勝を争う巨人、ロッテがともに敗れ、逆転Vの青写真も色濃く描けるようになってきた。「貯金の数に関係なく、1つ1つ全員で、全力を尽くして戦っていくしかない」。両リーグ最速で30敗に到達した相手とはいえ、日本ハムの強さだけが際立った、暑く熱い夜だった。【本間翼】



