<阪神1ー0ソフトバンク>◇11日◇甲子園

 相手のミスは「想定内」だった。0-0の8回裏、1死三塁。代打関本への2球目、ソフトバンクの捕手細川がピックオフプレーを仕掛け、三塁にけん制球を投げる。送球が代走田上健一外野手(24)の体に当たり、球はファウルグラウンドを転々。阪神は虎の子の1点を拾った。

 この場面、ベンチからの指示は「ゴロゴー」だった。関本がゴロを打てば、本塁を狙う。さらにもう1つ、隠れた狙いがあった。

 田上

 (球がバットに)当たった瞬間に(ゴロだったら)走ろうと思って、リードを大きくとった。(捕手がけん制球を)投げてきたら、(ラインの)内側に入って、何とか(体に)当たったらいいな、と思った。

 和田監督

 いいスタートを切ってやろうと、そういうところを見てのキャッチャー(細川)のピックオフだ。ああいうことがあるのも想定して、コーチが指示してくれていた。

 田上がリードを大きく取れば、守備に自信のある細川が刺しに来る。久慈三塁コーチからも捕手からのけん制に注意するように指示が出ていた。和田監督が「サードのピックオフは危険をはらんでいる」と言うように、三塁へのけん制をしくじると、点に直結する。阪神ベンチが想定した通りに、事が進んだ。

 打線が低迷し、最近10試合連続で3得点以下。この日を含めて、うち5試合は1点を取るのが精いっぱいという状況だ。ならば、どうやって点を取るか。「1-0」勝利は、単なるラッキーではなかった。【田口真一郎】