タイガースの親会社である阪急阪神ホールディングスの株主総会が14日に大阪市内で行われ、Bクラスに低迷する阪神に株主2人から厳しい意見が飛んだ。世代交代が進まない現状に、ファンのいら立ちを代弁したのか。南信男球団社長(57)は平身低頭で謝罪するしかなかった。

 チームはBクラスに低迷。打線は元気なく、若手の台頭はない。やはり株主総会で、不満が爆発した。ある男性株主が切り出した。

 「タイガースについて、要望、苦情を述べさせてもらいます。選手起用についてですが、最近、若手が育っていないのが気になるところ。特に2軍は見に行っても、何も面白くない。選手の声も出ていない」

 若手育成に関しての厳しい意見だった。中堅や捕手のポジションはぽっかり空いているのに、誰もレギュラーに定着していない。新井貴やマートンら不振のレギュラー陣を脅かす存在もいない。今年のルーキーは1位伊藤隼以下、誰も1軍にいない。育成部門に疑問の声が生じても仕方のない状況だ。この株主はさらに、補強選手もやり玉に挙げた。

 「外から城島や小林(宏)を呼んでも活躍していない。給料は高いのに、不良債権を抱えているだけだ」

 城島は度重なる故障で、戦線を離脱。小林宏も開幕から2軍生活が続いている。この言葉には、場内から賛同の拍手が起こった。

 ある女性株主は、精彩を欠き暴言騒動を起こしたマートンを取り上げた。

 「タイガースのマートンのことで尋ねたい。去年、一昨年と一生懸命プレーしていたが、今年は熱気が感じられない。今後の契約について、どう考えているのか、お伺いしたい」

 昨年の株主総会でも、真弓前監督の采配や金本の守備に対する意見が出た。もはや株主総会では恒例のシーンとなったが、ファンのイライラは相当だ。対応した南球団社長は昨年に続き、壇上で謝罪するハメになった。

 「現状では本当にふがいない成績、戦いぶりでファンや株主の皆様にご心配をおかけして、申し訳なく思います。チーム作りの王道はドラフトで獲得した新人選手を自前で育てて、チームを作るのは、十二分に認識しています」

 マートンの契約問題に関しては回答を控えたが、今後の復活を期待した。

 巨人や中日が首位争いを演じる展開も、歯がゆさに拍車をかける。今のままではいけない。今後、どうチームを立て直していくのか。危機感を持って、再建に尽力しなければならない。【田口真一郎】