<日本ハム5-1巨人>◇14日◇札幌ドーム
目の前での巨人の交流戦Vを阻止し、斎藤でやられた前日13日の悔しい借りも返した。日本ハム栗山英樹監督(51)は「ここ一番でこういう試合をしてくれるのがうれしい。選手がプライドをかけて、『負けたくない』というのがあった。集中力があった。…でも、疲れたぁ~」。心地いい疲労感に身をゆだねた。
序盤は苦戦した巨人沢村に対し、一気にたたみかけた。1点を追う5回。2本の安打と四球で無死満塁の好機をつくると、指揮官は動いた。打席に向かう鶴岡慎也捕手(31)に耳打ち。「思い切っていけ。ゲッツーでも大丈夫だから」。1ボール1ストライクから、外角の150キロ直球を一、二塁間へ流して同点適時打とした。鶴岡は「ゲッツーでも1点入ると思えた」。監督の言葉に、開き直ることができた。
ダメ押しした8回の5点目も鶴岡だ。1死二、三塁の場面でスクイズを決めた。11日の中日戦でスクイズを失敗し、この日の第1打席にも送りバントをミスしていたが、指揮官は選手を信じ、名誉挽回の機会を与えた。「(ミスを)引きずっていた。決められて、僕自身楽になれました」。鶴岡の表情も、栗山監督同様に、充実感が疲労感を上回っていた。
栗山監督は中学時代に原監督に憧れ、東海大相模のセレクションを受けた。ずっとあこがれ続けてきた先輩と、指揮官として対峙(たいじ)し、力を集結させて勝利した。相手はスターぞろいの巨人。それでも「オレはウチの選手たちが最高だと思っている」と言い切った。チームにとっても、指揮官にとっても、特別な夜になった。【本間翼】



