阪神マット・マートン外野手(30)が、リーグ戦再開(22日、対DeNA)から先発復帰する可能性が出てきた。19日、甲子園球場の室内練習場での全体練習中、和田監督と片岡打撃コーチが30分にわたって会談。同コーチは「スタートから勢いをつけるためにも期待している」と助っ人の復活を熱望した。

 マートンが、先発ラインアップに復帰する可能性が出てきた。この日、全体練習中に和田監督と片岡打撃コーチがクラブハウスで約30分間会談。リーグ戦での打線編成などについて意見交換したもようだ。

 片岡コーチ

 (リーグ再開は)新しいスタート。オールスターまでが特に大切なのでいいスタートを切るためにどうしようかということです。

 状態の上がっている野手陣のコンディションを落とさないよう、今日20日にシート打撃を行うことを決めたが、ベテラン金本をリーグ戦でどう休ませながら使うか、新井良ら好調な若手・中堅の起用法などについても話し合われたとみられる。

 中でも注目はマートンの処遇だ。3年目を迎えた助っ人は開幕から波に乗れず、打率2割2分2厘、1本塁打、18打点と2年連続最多安打を放った打棒が影を潜めている。暴言騒動も起こし、交流戦最後の3試合は先発落ちした。しかし、4位からV戦線に斬り込むには、助っ人の力が必要不可欠だ。首脳陣は、リーグ戦再開からスタメン復帰を視野に打撃復調を図る。

 片岡コーチ

 やっぱりマートンですよ。今は彼の持っている実力を出せていないが、こんな選手じゃない。後半のスタートから勢いをつけるためにも、彼に期待しています。うちの打線の中心になる選手だから、頑張ってほしいし、頑張らせないといけない。我々もそのために(方策を)考えています。

 この日、マートンは練習開始前に来日中のシーツ駐米スカウトと約5分間話し合った。同スカウトは悩める助っ人の相談役でもある。アップ後には、約30分間にわたりティー打撃を入念に行った。1球打つたびに、フォームをチェックするように間合いを取り、丁寧に打ち込んだ。その後行ったフリー打撃では鋭い打球を飛ばした。言葉は残さなかったが、片岡コーチは「レギュラーだし、練習でどうのこうのという選手じゃない」と厚い信頼を寄せた。「マートン」の名が再びスタメンに刻まれるとき、阪神の猛追が始まる。【高垣誠】