<オリックス6-3日本ハム>◇3日◇京セラドーム大阪

 暗黒トンネルから抜け出せない…。日本ハム武田勝投手(33)がまたも勝利から見放された。3日のオリックス戦に先発し、4回1死まで無安打投球も、大引に初安打を許すと一変した。続く後藤に2点本塁打を浴びるなどこの回4失点。打線の援護もなく6回で降板し5敗目を喫した。これで4月29日の楽天戦以来9試合連続白星なし。チームも引き分けを挟んで今季4度目の3連敗となり、試合のなかった3位楽天とのゲーム差はとうとう1ゲームとなった。

 魔の4回。武田勝がたった1イニングだけ捕まった。「あの回だけなので、非常にもったいない」。1死を取った後、大引に初安打を許してからだった。続く後藤に先制の3号2ラン。「2点で、とどめるべきところ」だったが、勢いづいた猛牛打線を止められない。李大浩、バルディリスにも連打され、T-岡田には2点適時二塁打を食らった。この回、5連打を含む6安打で4失点。「ホームランを打たれた後、しっかり抑えていれば、試合を壊さずに済んだ」と悔やんだ。

 立ち上がりは抜群だった。1回に大引に四球を与えたものの、続く後藤は一直で、飛び出した大引も戻れず併殺。4回までは毎回、先頭打者を空振り三振と隙がなかった。「チーム状況を考えて、飛ばしていった」。チームは交流戦明けから3カード連続で初戦を落としての負け越し。ブルペン陣にも負担がかかる試合展開が続いていた。負の流れを断ち切ろうと1回からエンジン全開だったが、大きな落とし穴が待っていた。

 「結局、こういう展開で、目標としていた長いイニングにもつながらず、いいところがなかった」。6回に降板するまで、4回以外は無安打投球。完璧だっただけに、突然の変調ぶりが余計に際だってしまった。

 長いトンネルの出口が、なかなかみつからない。これで自己ワーストタイの5連敗となり、黒星が先行。登板9試合連続で白星なし。昨年も登板5試合連続でチームが完封負けという経験をしたが、今年もツキが回ってこない。いばらの道が続く左腕エースに栗山監督は「バランス、コントロールも良かった」と評価。それだけに、「申し訳ない。点を取れなくて。嫌な感じはしていた。野球って、ああいうもの」と、援護できなかったことを謝罪した。

 これでカード初戦は4連敗となった。さらに引き分けを挟んで今季4度目の3連敗で、3位楽天とは1ゲーム差に迫られた。マイナス要素は挙げればきりがないが、今日4日にも故障で離脱していた稲葉が復帰することが濃厚で、プラス要素もある。「しっかり切り替えて次回登板に臨みたい」と武田勝は前を向いた。チームも、いつまでも下を向いているわけにはいかない。【木下大輔】