<阪神1-3広島>◇4日◇松山

 松山の惨劇は続いていた。阪神和田豊監督(49)は前日、逆転の暴投を止められなかった捕手小宮山慎二(26)に先発マスクをかぶらせた。結果は守備のほころびから無駄な失点を重ねて連敗。これでシーズン半分の72試合を消化して借金6の5位、首位と9・5ゲーム差、3位ヤクルトとも5ゲーム差と危機的な数字を抱え、首位巨人の待つ東京ドームに向かう。

 折り返し地点に到達した和田阪神は、屈辱にまみれていた。広島にまさかの連敗で、72試合目の5位転落だ。シーズンの半分で、この順位は真弓政権1年目の09年以来。残り72試合あると思いたいが、浮上の材料がない。

 和田監督

 そう(まだ半分)思ってやっていかないといけない。1つ勝って、流れを止めていかないと。歯車がかみ合わず、選手も苦しいだろう。みんな、このままじゃいけないという思いでやっている。

 前日は最終回に振り逃げ暴投で2点を失う最悪の形で逆転負けを喫した。小宮山がノーバウンドの球を止められなかったことが主因だ。この日、和田監督は試合前に外野の芝で若き捕手に声をかけ、5分近く、ゲキを飛ばした。「本人に聞いて」と多くを語らなかったが、引き続き、先発マスクに指名した。しかし2回裏無死一、二塁で2度バスターに失敗。最後は併殺打に倒れ、指揮官の起用は裏目に出た。小宮山は4回にも岩田のワンバウンドを止められず、暴投で追加点を許す。7回でベンチに退いた。

 負傷者の続出に、代役の若手も精彩を欠く。さらに主力新井の悪送球が失点につながった。チームは完全にまとまりを失っている。名古屋→東京→松山→東京と2週間の長い遠征。8試合を終えて、1勝7敗と歯止めがきかない。

 和田監督

 今後は東京ドームで、いつもと違った気持ちが出てくるだろう。それに期待したい。いつものようにゲームに入ってはいけない。何かを変えていかないと。このままではいけない。

 次は東京ドームの巨人戦。首位を相手に、借金「6」のチームは不安しかない。【田口真一郎】