<巨人7-5阪神>◇7日◇東京ドーム
へこたれるな。前を向け。巨人に最後まで食らいついたのが、阪神の新井ブラザーズだ。兄貴浩内野手(35)が4番、弟良太内野手(28)が5番で出場。クリーンアップで並んだ兄弟がともに3安打を放ち、意地を見せた。同一球団の兄弟がそろって猛打賞を決めたのは、ロッテのリー兄弟以来30年ぶり。今日8日こそ、兄弟の力で虎を救う。
兄の背中を、弟が追いかける。新井兄弟はやはり、一瞬でムードを変える不思議なパワーを持っている。初めてタッグを組んだ7月1日ヤクルト戦以来、今季2度目の4、5番兄弟並び。結果は「猛爆」だった。
1点先制され、相手マウンドには難敵杉内がいた。早くも嫌な雰囲気が漂う2回、まずは先頭の兄貴浩が士気を高めた。1ボール2ストライクと追い込まれ、外角チェンジアップに食らいつく。当たり損ねのゴロが三遊間前に転がると、激走で内野安打をもぎ取った。続いて弟良太が内角直球をしばき上げ、強烈なゴロで三塁線を襲う。三塁村田は跳びついて止めるのが精いっぱい。2者連続内野安打で無死一、二塁とし、この回一挙3得点の逆転劇を呼び込んだ。
新井良
すごいピッチャーが相手だから、とにかく積極的に開き直って打席に入っただけ。たまたまです。とにかく1球1球、集中してやっているだけです。
すぐさま2点リードを追いつかれた3回。今度は2死1ボール2ストライクと追い込まれながら、兄が三遊間を破る。そして弟は初球の内角スライダーを気持ちいいほどに強振し、ライナーで左翼線を破った。安打→二塁打で二、三塁とし、2死からこの回2得点の勝ち越し劇も導いた。
新井良
(前の打者の)勢いというか、配球を頭に入れながら。前、後ろの打者を考えるというより、打席に集中する意識でした。
2点を追う8回1死からも左前打→右前打の連打を決めた。1試合で3度の兄弟連打。弟良太はプロ7年目で初の猛打賞を記録し、2得点の大暴れだ。一方の兄貴浩は5戦連続安打と好調をキープ。初体験となる兄弟猛打賞を飾った。ただ、8回の連打は得点に結びつかず、チームは5連敗で借金8。首位巨人に12ゲーム差まで広げられた。
新井貴
明日…、明日。しっかり勝ちたいね。
主軸の兄貴浩は数秒間沈黙の後、振り絞るように言葉を発した。今はただ勝ちたい…。ギュッと結んだ口元に、湧き出る思いが見え隠れした。【佐井陽介】



