<巨人2-4広島>◇11日◇岐阜

 広島前田健太投手(24)が、2年ぶりに巨人戦で白星を挙げた。序盤から140キロ台後半を連発し、6回には今季2度目の150キロをマーク。エンジン全開で7回5安打2失点に抑えた。10年8月6日以来のG倒で、ハーラートップタイの9勝目。球宴ファン投票1位のセ界のエースが、3年連続の2ケタ勝利にも王手をかけた。

 エースが2度ほえた。4-1の6回2死一、二塁で4番村田を迎えた。1ボール2ストライクから、満身の直球を投げ込んだ。掲示板には、ノーヒットノーランを記録した4月6日DeNA戦(横浜)以来の150キロの文字が浮かぶ。最後はスライダーで空振りを奪うと、グラブをたたき、1回、2回と声を上げた。バットでも勝利をたぐり寄せた。1-1の4回2死三塁で、ゴンザレスのスライダーを引っ張り、左翼線を破る勝ち越しの適時二塁打を放った。巨人戦での白星は、10年8月6日(東京ドーム)以来だった。

 「(2年ぶりと)そういう風に思われるのも嫌なので。調子の良い巨人相手で、今日は自分でも大事な試合だと思っていた。その中で勝てたのは良かった」

 前回登板した6日ヤクルト戦(マツダスタジアム)は、2回途中で降雨ノーゲームとなった。「久しぶりに調子が良かったのに」と悔しがった“雨男”は、この日も試合前に豪雨をもたらし、降板後は59分間の中断もあった。「雨男なので、何とか試合が出来てよかった。試合前は正直出来ないかと思いましたけど」。

 自身初の同一シーズンの5連勝で、ハーラートップタイの9勝目。3年連続の2ケタ勝利にも王手をかけた。オールスターは、20日の第1戦(京セラドーム大阪)で登板することが決まった。17日中日戦(マツダスタジアム)で前半戦の“ノルマ”を達成し、晴れて球宴のマウンドに立つ。【鎌田真一郎】