<阪神4-1中日>◇12日◇甲子園

 阪神新井良太内野手(28)は、中日時代にインプットしたデータを思い出していた。山本昌の宝刀シンカー対策。「昌さんはシンカーが代表的だけど、直球が多くてキレがいい。変化球のタイミングにしないように考えて」。

 1点リードの4回2死一塁。1ボール2ストライクから誘い球を2球見送り、フルカウント。最後は分析以上に「がむしゃら」を最優先。それでも真ん中127キロシンカーをミートし、左翼フェンス直撃の二塁打で貴重な2点目を奪った。

 4月以来の山本昌には通算46勝を献上している。前回は8回2安打無得点に封じ込められた。低めのシンカーを振らされただけに、この球種の見極めがポイントだった。分岐点は1回、しかも先頭マートンの打席だった。ファウルで粘った末、やや甘くなった11球目のシンカーを右方向へ二塁打として先制点を演出した。チームとして意図した通りの打撃をいきなり実演。和田監督は「あれで雰囲気が変わったね」と目を細めた。

 片岡打撃コーチも「引っ張りにいくと空振りする。逆方向に持っていく意識があったから我慢できた」と振り返る。苦手左腕を攻略し、5カードぶりに勝ち越した。着実な加点に、和田監督は「前回の反省が生かされた。今日は本来のタイガースらしい勝ち方だった」と少しだけ表情を緩ませた。