<阪神4-1中日>◇12日◇甲子園

 「ヒサシブリネ!」

 待ちに待った復活星だ。阪神ランディ・メッセンジャー投手(30)が2回無死満塁の大ピンチを切り抜け、7回無失点。6月16日ロッテ戦以来となる今季5勝目をマークした。快投で本拠地・甲子園での連敗もストップ。晴れて、負のジンクスともオサラバだ。これからはメッセが虎投を支える。

 198センチの長身が甲子園で躍動した。蒸し暑さを苦にせず、メッセンジャーの右腕がしなる。1点リードの2回が最大のポイントだった。2四球と1安打を許して無死満塁。堂上直を迎えて開き直る。「1点、取られても仕方ない状況。1点は覚悟していた」。3球目だ。外角低めにキュッと曲げて引っかけさせると、ゴロは三塁へ。5-2-3の併殺を完成させ、2死を奪う。下位打線を封じて絶体絶命のピンチを脱した。

 メッセンジャー

 せっかくチームが点を取ってくれた後だったからね。ターニングポイントだったよ。今日は制球が良かった。長い間、制球に苦しんでいたから。ヒサシブリネ!

 危機を逃れたあとは勢いのある本来の姿がよみがえった。3回以降は150キロ超の直球でグイグイ押す。貧打の中日打線を4イニング連続無安打。4点のリードを保ったまま、7回3安打無失点で降板し、6月16日のロッテ戦(QVCマリン)以来、1カ月ぶりの今季5勝目を挙げた。7回に要した球数は94球。完封ペースだったが、首脳陣はあえて継投策を選んだ。

 和田監督

 甲子園で勝てていなかった。甲子園の勝利も遠ざかっていたし、いい時にスパッと代えて、後ろに託した。

 甲子園での連敗を「8」で止め、白星を挙げるのは昨年9月6日広島戦以来だった。負のジンクスを断ち切っても、助っ人右腕は満足しない。残り2イニングへの未練を隠さなかった。

 メッセンジャー

 絶対に代わりたくなかった。(安打を)3本しか打たれていない。試合を全部、コントロールできると思ったよ。

 9連戦の3試合目。救援陣の負担も生じる。先発としての責任感の強さがにじみ出る。4月30日巨人戦(東京ドーム)は両軍無得点。7回、先頭阿部に四球を出すと藪投手コーチがマウンドへ。だが、ベンチは続投を決断。意気に感じて満塁のピンチを断った。試合終盤の危機でも勝負を託す指揮官の姿勢-。和田監督に直接「代えられると思っていた。代えないでくれてありがとう」と感謝を示したという。首脳陣の信頼に応え、自身も3連敗でストップ。これで今季チームトップの103回2/3を投げた。大黒柱としての自覚にあふれていた。【酒井俊作】