<ソフトバンク4-3ロッテ>◇13日◇福岡ヤフードーム

 オイサー!

 マッチが最後に決めた。ソフトバンク松田宣浩内野手(29)が延長10回、無死一、二塁から左前にサヨナラ打を放った。波に乗れない今季を象徴するように81試合目で初のサヨナラ勝ちだったが、勢いをつける劇的勝利。前半戦最後の本拠地6連戦に先勝し、5割ターンへ突っ走る。

 低くて力強い松田らしいライナーが左翼手の横を抜けて行った。ナインが飛び出し、水を掛け合う歓喜の輪が81試合目でようやくできた。「めちゃめちゃうれしいです。初めてなのは、ちょっと遅いかな」と喜びを爆発させた。

 7回に2点勝ち越したが、すぐに8回に同点にされる重苦しい展開。守備位置でもベンチでも誰よりも元気を出して盛り上げていた男が、バットで勝利を呼び寄せた。延長10回、明石が中前安打で出塁すると本多も四球を選びチャンスを広げた。無死一、二塁となったことで「1球で終わったり、ゲッツーになるのが一番ダメ。つなぐ意識でコンパクトに打てたかなと思います」とより確実性を求めた。2ボール0ストライクと有利なカウントになり「打つしかない。とにかくまずは強く自分の打球を打とう」と、甘く来た143キロの外寄りの直球を豪快に引っ張った。

 今季1度も打率3割を切らない確実性こそ今季の成長の証しだ。現在3割1分4厘でリーグ3位。「右肩の方にバットを担いで、打率というか安定しました。それだけですよ」とバットを寝かせる構えの位置がシーズン中もずっと低く安定している。

 秋山監督も「勝つと分けるのはえらい違いだね」と目を細めた。前日は1安打完封負けに「サンドバッグがほしい」と怒りが最高潮だった。この日は羽田空港からの当日移動ゲームだったが、大雨のため福岡空港に着陸できず上空で待機し50分遅れ、球場へ行くバスも高速で渋滞につかまった。球宴前5割ターンへ1敗もできない中、追いつかれての延長10回ドローで終われば、疲労感だけが残るところだった。

 「勝てば移動の疲れなんて取れます。負けている時に悔しさを出さないと。いい方向へ行く近道。残り5連勝狙うつもりで行きます」と全勝宣言した。お立ち台ではなじみの「1、2、3、マッチ~!」に山笠祭りのかけ声「オイサ~」をつけてファンを喜ばせた。元気印がチームをグイグイ引っ張って行く。【石橋隆雄】