<ロッテ3-5日本ハム>◇7月31日◇QVCマリン
日本ハムを82日ぶりの首位に返り咲かせたのは、やっぱり稲葉篤紀外野手(39)だった。1-1で迎えた6回2死一、二塁。とらえたのは内角高めの直球だった。「見逃したらボールじゃないかな。でも、うまく肘を畳んで回転できた」。悪球とも言えるような難しいコースに、自然と体が反応した。ライナー性の打球はあっという間に右翼席に届く9号3ラン。首位攻防第1ラウンドを制する一撃となった。
調子は良くなかった。6月下旬に左足首を捻挫し出場選手登録を抹消。7月4日に復帰も本来の打撃にはほど遠く、この日も「1打席目もとらえたと思ったら力弱い三飛。(バットの)ヘッドが出てきていないなと思った」。ちょっと弱気になったところで、前を打つ中田が復調のきっかけを与えてくれた。「今日は中田翔が初球から積極的で、僕も影響された」。若き4番の姿勢に感化され、結果に結びつけた。
3日で40歳となるが、野球に対する研究心は衰えない。今年のオールスターでのこと。ベンチからソフトバンク松田の打撃をじっくり見た。バットを持つ右手と左手が少し離れていることに気づいた。「なんでって聞いたら、バットでボールを押し込みたいからってことだった」。
聞くだけで終わらない。後半戦開幕の7月25日ソフトバンク戦の試合前には、試しに実践してみた。「(バットの)ヘッドをしっかり返らせるためなんだろうね。すぐに試合ではできないけど、調子が悪くなった時の練習には使えるかも」。プロ入りから変わらない貪欲な姿勢で、打撃の新たな引き出しを手に入れた。
4回の同点犠飛も含め、この日の4打点で通算999打点となった。2000安打達成のメモリアルイヤーの最後を飾る大記録に王手も、関心はない。「もっともっと熱いプレーをしたい」。混パから抜け出すことしか、頭にないようだ。【木下大輔】



