佑ちゃん、昇格は無期限延期?

 日本ハム斎藤佑樹投手(24)の1軍昇格がさらに遠のいた。12日、イースタン・リーグのヤクルト戦で高卒3年目の中村勝投手(20)が6回2失点の好投。前日に6回4安打3失点した斎藤に代わって、昇格する見込みになった。チームはこの日、西武に敗れ4カードぶりに負け越し。投手事情が厳しい中でも、栗山英樹監督(51)は斎藤の昇格時期のめどを示すことなく、奮起を促した。

 佑ちゃんにとっては、ショッキングな事態となった。日本ハム斎藤の1軍再昇格が、無期限延期に。2軍で調整を続け、じっくりと復帰の時期を見極めることになった。

 激しい首位争いを続ける1軍だが、前日11日に完封勝利を挙げた吉川をのぞき、ここ数試合は先発投手のノックアウトが目立つ。この日も、多田野が2回にオーティズの2ランなどで逆転され、3回は3連打を浴び1死も取れずに降板した。10日西武戦(西武ドーム)でもウルフが4回7失点と序盤で試合を壊し、チームは3位西武に4カードぶりの負け越し。チームがこんな状況でも、開幕投手を務めた斎藤に声がかかることはなかった。

 当初の予定では、2軍で2度の登板を経て1軍に復帰する計画だった。しかし、この日、イースタンリーグのヤクルト戦(戸田)で、同じく再昇格を目指す高卒3年目の中村が6回を2安打2失点。今季初先発となった5日楽天戦(札幌ドーム)で5回途中を3安打2失点でまとめたことも評価され、斎藤に代わって、先発ローテの谷間に滑り込むことになった。チャート係として2軍戦で中村の投球を見守った斎藤は「競争とかではなく、自分の中で(1軍に上がる)準備はできている」と意気込むが、栗山監督は「固定されている人以外は4、5人で競争させている。ユウキ(斎藤)にとって何が一番いいのか、考えて整理しないと」と冷静だ。

 今後の斎藤の1軍復帰プランは未定のまま。「(シーズン)後半での登板が大事になる」と斎藤に希望を託す栗山監督の親心を、背番号18はどのように受け止めて結果として示すのか。正念場の夏は、まだまだ続く。【中島宙恵】