困ったね。これは。ハッキリ言えるのは看板選手・佐藤輝明の1発を“ガス抜き”のそれにしてはいかんということだ。これで44イニング適時打なしか。タイムリーがなくても本塁打が出て勝てばいいのだが、この日のようなあだ花の1発では困る。最後こそ盛り上がった甲子園だが本拠4連敗は苦しい。
今更「併用の弊害か」などという気はないけれど、9回の2点があったから余計に7回に出た小幡竜平の「ワンプレー2失策」での2失点は痛かった。5月16日広島戦(甲子園)以来、13試合ぶりのスタメンだったが守備では誰にも引けを取らないはずの男の焦ったようなミスだ。
「ゲームに出ていない間にね。どういう風にして。ベンチでスタートするにしても。強さを持った選手がこの舞台には必要だというところですね」。個人攻撃はしない指揮官・藤川球児も言葉を選びながらそんな話をした。起用している側の責任もあるが、もちろん、出た選手がしっかりプレーをしなくてはいけないのは当然。ミスは、結局、自分に返ってくるのである。
それにしても何というか元気がない「甲子園の阪神」だ。交流戦2勝5敗でも首位から大きく離されない状況は続いているとはいえ、交流戦に入る前のハツラツとした空気は消えている。当時の要素はルーキー立石正広の加入だったと思うが、それも一段落、ここは次の起爆剤が欲しい。
候補はこの日、プロ3年目で初の1軍となった百崎蒼生か。ひょっとして、いきなりのスタメンも…と思ったが出番はなかった。勝手な見立てでは、もう1人。ズバリ、嶋村麟士朗だ。この日は8回に代打で登場。チーム3安打目となる内野安打をマークした。その直前、代打・島田海吏と小幡が甲斐野央の前に連続で見逃し三振に倒れていたので余計に声援が多かった気がする。
ここは嶋村もスタメン起用もあるか。しかしDH制の試合なら、難しくないかもしれないが今週は甲子園だ。さすがに本職のスタメンマスクは厳しい。そうなれば可能性があるのはキャンプでも練習していた一塁だろうか。
その場合、外れるのは大山悠輔になる。最近、元気がないとはいえ、さすがにクリーンアップの1人を外すのは…とは思う。だが、それぐらいのことをやる必要を感じる甲子園のゲームだった。(敬称略)【高原寿夫】(ニッカンスポーツ・コム/野球コラム「虎だ虎だ虎になれ!」)




