<ソフトバンク1-3ロッテ>◇14日◇福岡ヤフードーム

 ロッテのセス・グライシンガー投手(37)が、外国人投手としては初めて、現12球団すべてから勝利を記録した。ソフトバンク戦で4安打1失点完投勝利。今季初完投で、6月6日以来の7勝目をマークした。グライシンガーはヤクルト、巨人、ロッテと3球団を渡り歩き、来日6年目で記念の勝利にたどりついた。チームも連敗を2で止め、首位日本ハムとのゲーム差を再び1とした。

 グライシンガーが、5連敗か~ら~の~7勝目をやっと手にした。6月6日のDeNA戦で6勝目を挙げてから、7試合に登板したが白星なし。背筋痛と中指のマメがつぶれたことなど複合的要素が絡んでフォームを崩していた。

 この日は「気持ちで投げた」と開き直った。伸びのある直球とスライダー、さらに最もマメに引っ掛かるというチェンジアップを怖がらずに投げ込み、ソフトバンク打線をテンポ良く追い込んだ。無四死球で、3ボールも2人だけ。かつて「精密機械」と評された制球が戻っていた。

 4安打1失点107球の省エネで、巨人時代の09年以来の完投勝利を挙げた。さらに外国人投手としては初の全12球団からの白星もマークした。「時間がかかったが、勝てて良かった。しっかりしたフォームで投げることができた」と、久しぶりに笑みを浮かべた。

 チームとしても7月16日の成瀬以来の完投で、登板過多の中継ぎ陣を休ませたことは大きかった。西村監督は「遠征9連戦(移動日1日を挟む)のアタマを取れたことも大きかった」と感謝した。これで首位日本ハムとのゲーム差を1に縮めた。グライシンガーは「1つ1つが大切になってくる。今後もしっかり戦う」と自覚十分。クライマックスシリーズ(CS)進出をかけた争いはいよいよ激しさを増してきた。【鳥谷越直子】

 ▼グライシンガーがソフトバンク戦で初勝利を挙げ、現12球団すべてから勝利を記録した。セ、パ12球団となった58年以降、全12球団勝利は今年7月27日杉内(巨人)に次いで11人目。外国人投手では初めて。ヤクルト、巨人時代に9球団から勝利を記録したグライシンガーは、ロッテへ移籍した今年に西武、日本ハム、ソフトバンクから初勝利を挙げて来日6年目で達成。09年久保(阪神)の5年目に次いで2番目に早い勝利となった。