<楽天1-0日本ハム>◇16日◇Kスタ宮城

 高卒ルーキーにやられた。日本ハムは楽天釜田佳直投手(18)に5安打に抑えられ、今季8度目の完封負けを喫した。4番中田翔内野手(23)は9回2死から意地の安打を放ったが、2三振。初対戦の新人右腕に対し、三塁を踏めなかった。2カード連続負け越しで、2位西武とは1ゲーム差。今日17日から本拠地札幌ドームで巻き返す。

 お手上げだった。試合後、栗山英樹監督(51)の第一声。「あの展開でひとりでよく投げた。力はある」。自軍の選手を褒めているのではない。5安打で0封された楽天釜田のこと。「それはさておき、何とかしなきゃいけなかったけど…」。攻略の糸口も見えない、完敗だった。

 2つの誤算が、凡打の山を築いた要因だ。

 <1>想像以上に手元でよく伸び、よく動く直球

 勢いよく投げ込んでくる速球が、最大の武器であることは当然わかっていた。だが、ベース板での力強さは想像以上。また「真っすぐがけっこう動いていた」(田中)ことにより、とらえたと思ってもファウルになった。栗山監督は「思った以上に(ストライク)カウントが進んだ。ボール、ボールとなれば、狙い球が絞りやすい」。27個のアウトのうち、11個が2ストライクと追い込まれたもの。打者33人で3ボールまで運んだのは5度だけ。ファウルでうまくカウントを稼がれ、打者有利の状況に持ち込むことができなかった。

 <2>終盤の粘り

 厚沢プロスカウトは「終盤に尻尾を出すと思ったけど、止まらなかった」と言った。新人らしからぬ落ち着いた投球、変化球になっても変わらない腕の振りは、最後まで一定だった。9回の中田の打席で150キロをマーク。稲葉篤紀外野手(40)は「投げっぷりがいいし、度胸がある。高低も間違えない」。難敵であることを認めた。

 広島野村、ソフトバンク武田に続き、新人投手との初対決で3連敗。今季8度目の0封負けで、2カード連続の負け越しとなった。栗山監督は「何か手を打っていかないといけない」。下を向いている暇はない。【本間翼】