阪神が球団史上初のGM(ゼネラルマネジャー)制を導入する方針を固めたことが18日、分かった。OBで監督も務めた中村勝広氏(63)が最有力候補で、球団からの正式要請によって受諾することが決定的だ。

 球団では補強、ドラフトなどの反省から組織改革を検討、現場出身で経験豊富な編成部門のスペシャリストを探していた。同氏は82年まで阪神内野手として活躍。引退後の90年から6年間、監督を務めた。最高成績はシーズン2位の92年で、あとはBクラス。和田現監督は当時の選手だった。その後、オリックスではGM、監督(5位)、球団本部長などを務めた。

 中村氏はこの日、解説で訪れた京セラドーム大阪で、阪神GM就任について「この時期でまだ40試合ぐらい残っているでしょう。CS目指して一生懸命やっている中で、その件に関してコメントする立場にないので。ノーコメントでお願いしたい」と明言を避けた。一方で「人事ものはいずれにしても、まだまだ先のことになるんじゃないですか。成り行きだけどね」と否定しなかった。低迷脱出を図る球団が打ち出した改革案だが、猛虎再生へ初年度から手腕が問われる。

 ◆中村勝広(なかむら・かつひろ)1949年(昭24)6月6日、千葉県生まれ。成東から早大を経て71年ドラフト2位で阪神入団。82年に現役引退。通算成績は939試合に出場し、打率2割4分6厘、76本塁打、219打点。引退後は阪神のコーチ、2軍監督を務め、90年に阪神監督へ就任。95年途中に成績不振のため辞任した。03年9月にオリックスGMに就任し、06年はGMからオリックス監督へ転身。オリックス監督は1年限りで、その後も球団に残って09年まで球団本部長などを務めた。