<ロッテ1-10ソフトバンク>◇24日◇QVCマリン
ソフトバンク大隣憲司投手(27)が再びハーラートップタイ、自己最多の12勝目を挙げた。完封まで1アウトで惜しくも里崎に適時打を許したが、今季6度目の完投。これで7連勝ともう2カ月負け知らずだ。とにかくピンチに動じない。すっかり大黒柱に成長した左腕が首位日本ハムとのゲーム差2・5を保った。
完封をスルリと逃し、タカ党は少しがっかり。そのハートを大隣が話術でつかまえた。常連となったヒーローインタビュー。打線の大量援護を問われ「点を取っていただき、最後まで気を抜いて…。あれ?
気を抜いてちゃうわ、気をしっかり持って投げようと思いました!」と、ボケツッコミで笑わせた。
本職の投球術も変わらず高値安定だ。1回。四球が絡んだ2死一、二塁の場面。角中に対してフルカウントから外角低め、左打者から最も遠い場所に直球を通し、見逃し三振で仕留めた。最初のピンチに動じず、脱力して制球力を引き出した。「相手が成瀬なので先に点を与えないことを考えた」。立ち上がりに試合を崩す、昔の大隣はもう見えない。
右打者の内角に食い込む直球は切れ、スライダーとチェンジアップも低めに集めた。完封のかかった9回は「意識はしなかった」と言うが、明らかに直球を投げ急ぎ、2四球で2死一、二塁とし、里崎に適時打を許した。「最後が、最後が…」と試合後の悔しがった姿に本心が浮かんだ。
6月24日を最後に負け知らずの7連勝で、自己最多の12勝目。3勝だった去年と、大きな違いはマウンドからの景色。「昔は目の前だけ。ピンチになると余計にそう。今は客席の応援ボードとかスッと見えます。余裕があるというか」。敵味方からベンチ、客席、試合の流れまで全て見える。メンタルトレーニングの効果が好循環を生んでいる。
先週までの土曜日登板から1日前倒しの先発。カード初戦の必勝を狙った勝負のローテ再編だった。首脳陣の期待に中5日での完投勝利で報い、首位と2・5ゲーム差をキープ。「今はそういう立場。こういうところで勝たないと意味がない」。白星を重ねるたび言葉に重みも出てきた。大黒柱が投げるたび、たくましく強くなる。【押谷謙爾】



