<ロッテ3-3ソフトバンク>◇26日◇QVCマリン

 ソフトバンク小久保裕紀内野手(40)が引退表明後初の3安打猛打賞をマークした。延長引き分けに「勝てるし、勝たないかん試合」と主将として歯ぎしりしたが、自身にとって現役最後となるQVCマリンで快音を残した。

 0-2の5回。長谷川の適時打で1点差とし、なお2死一塁で藤岡の外角直球をひっぱたき、右中間へ同点適時打。「前の打席(3回)で先制のチャンスを逃していたし、打ちたいと思っていた」。これで流れを引き寄せ、6回は内川の犠飛で一時勝ち越しに成功。2回と8回も安打で出塁した。長年、ホークスで主軸を張る男が力を示した。

 小久保にとってこの先、いくつも「現役最後」の冠がついて回る。この日は最後の敵地ロッテ戦。同球場の思い出を聞かれると、1本の“アーチ”を挙げた。

 「王監督に1ミリでも遠く飛ばせと言われていたダイエー時代、ニエベスがここの屋根にぶつけた次の日、練習で自分も当てたよ」

 99年6月29日。ニエベスは黒木からバックスクリーン脇の通気口の隙間から飛び出る場外弾。その翌日、練習で左翼の屋根部分にぶちあてた。推定150メートル超。13年後、その飛距離は落ち、この日も「そんなんがあるからやめるんですよ」と自虐ネタで笑わせた。

 試合後は「ありがとう」の声が飛んだ左翼席のタカ党に手を振り、帽子を取って頭を下げた。4打数3安打1打点でQVCマリンとはお別れだ。クライマックスシリーズで再訪する気はさらさらない。西武、日本ハムは敗れ、2ゲーム差。「風は吹いとる!」と声を張り上げた主将は、リーグ3連覇までバットを振り続ける。【押谷謙爾】