<巨人9-3中日>◇30日◇郡山

 勝ちたいに決まっとる!

 守道竜の巨人戦3連勝はならず、首位とのゲーム差が再び6に開いた。郡山での3戦目は一時2点リードしたが、先発中田賢一投手(30)が4回と5回で6点を失い再逆転された。高木守道監督(71)は前日、「2つ勝てた。もういいでしょう」と負け予告?

 していたが、この日は「悔しい。3連勝狙っとったのに」と本音がこぼれた。

 3-9の大敗で、巨人戦3連勝はならなかった。郡山のベンチ裏で高木監督が唇をかんだ。「悔しい。3連勝狙っとったのに」。東北での首位攻防は秋田と盛岡で連勝。前日、3連勝狙いの問いに、こう言った。「願わくば2つ勝ちたいと思ってたけど2つ勝てた。だからもういいんじゃないですか」。えっ、3戦目は負けていい?

 でもやっぱり、本音は違った。

 初回に先制されたが内海から3点を奪って逆転。3連勝がチラついていただけに、悔しさが倍増した。前回の対戦で7回を0封した中田賢を今季初の中5日で投入。だが4回に突然崩れて4点を失い、再逆転を許した。「問題はその後。まだ3対5。あそこで打たれちゃいかんのですよ」。監督の怒りは5回の阿部の2ラン。今季最多7失点KOで試合が決まってしまった。

 6回には朝倉もダメ押しの2点を献上。すると指揮官は「勝負あったでしょ」と7回守備から、猛打賞の井端をはじめ、和田、谷繁をベンチに下げた。まだ打席が回ってくるところで、今度こそ本当に守道竜の“もういいでしょう”が出た。「ベテランもバテバテだし休ませんと。ああいう展開になると疲れるだけ。次も試合があるんだから」。負け展開で堂々、温存作戦に出た。これもまだあきらめていない証拠の1つか。

 勝てば一気に4差まで縮まったが、再び6差に押し戻された。残り29試合。この落差は大きい。だが昨年も同じ115試合消化時点から、首位ヤクルトとの5・5差を逆転、連覇した。今季は0・5差分多いが、まだV3へ希望を見いだせる数字。今日31日からのヤクルト3連戦が、正念場の戦いになる。【松井清員】