<楽天0-0オリックス>◇2日◇Kスタ宮城
最後のピンチも切り抜けた。0-0の延長10回2死一、三塁、楽天田中将大投手(23)の115球目は懐をえぐるツーシーム。オリックス安達を1球で三ゴロに仕留め、派手にこぶしを握った。「打線が当たっているイメージ。初回を大事に抑えたら、乗って投げられました」。援護なく8勝目はつかなかった。勝利に値する内容でも、結果は11回引き分け。個人の感情はグッとのみ込み、淡々と振り返った。
エースの投球が戻ってきた。前回8月26日の日本ハム戦で延長10回を投げ、サヨナラで無四球完封勝利。この日も無四球で、並べた0は10個。再現ならずも、2週続けて好投した。11三振のうち見逃し5。追い込んでコーナーに決めた。150キロは1球だけでも「甘い球もあったけど打ち損じてくれた。良い形になりつつある」と、故障や不振を乗り越えた手応えを得た。
背景には、昨季の“脱力フォーム”を取り戻したことがある。軸足にためをつくり、リリースの瞬間に最大の力を込める。力みが消え制球もキレも安定する。森山投手コーチは「理想の投げ方。今日は前回より球速はなくても、変化球のキレは上だった」と見た。前日2本塁打のT-岡田を4打席凡退。7回先頭では胸元のスライダーでタイミングを狂わせ、バットを折り一邪飛に斬った。実は、田中自身は「理想のフォームはない」という。「体は日々変わっていく。いろいろな引き出しを持っている方が強い。その時々に合わせられるのが一番」と考える。先週から始めた登板間のブルペン投球を、今週も2回に増やした。「今、去年のフォームと比べる必要はない」と現状でベストの調整法を求めた結果だった。
星野監督は「ナイスピッチング。(援護なく)申し訳ないよ」とねぎらった。田中は「(完全復調か)まだまだ分からない。次へ、やるだけです」と、いつもの“田中節”で締めた。勝ちに貢献するだけ。思いは変わらない。【古川真弥】



