<巨人2-1DeNA>◇2日◇東京ドーム
巨人村田修一内野手(31)が、ひと振りで試合を決めた。8回、移籍後初の2戦連発となる決勝の11号ソロを左翼席へ放った。直前には同点に追いつかれた上、主将で4番の阿部が負傷交代。嫌なムードを、2度本塁打王獲得のホームランアーチストが振り払った。村田の先制適時打を含めた2試合連続猛打賞の活躍で、巨人は両リーグ70勝一番乗りを果たした。2位中日が敗れ、優勝マジックは19となった。
体をかがめ、のぞき込むように行方を追った。8回2死。村田が強振した打球は、高々と左翼に舞い上がった。滞空時間が長く、なかなか落ちてこない。「感触は完璧。きれるかどうかは神に祈るだけでした。でも(本塁)ベース横でずっと見てたから本塁打だと思いました」。ポールのはるか上空を通過してスタンドに落ちると、右手を上げた。ビデオ判定でも覆らず、これが決勝打になった。
1発へのこだわりがよみがえっていた。先日、ソフトバンク小久保が飛距離減を決断の1つに今季限りの引退を表明。村田は直接接点こそないが、日大入学時に「東都のホームランバッターといえば」と小久保モデルのバットを選んだ。独特の放物線は憧れで、自らも大きく弧を描く左翼への本塁打が理想の1つ。だからこそ「飛ばなくなるっていうのは…。僕もこだわりはありますから」と気持ちが痛いほど理解できた。
だがFA移籍1年目の今季は、村田からも放物線が減った。つなぎの意識を高めたが数字がついてこない。チームが勝ち続ける中「僕は日替わりでダメ」と歯がゆさを感じた。そんな時、村田打撃コーチから「本塁打を打てる人は限られる。意識を捨てるのはもったいないんじゃないか」と声をかけられた。「状況に応じてやればいいんだ」。14試合ぶりに5番に復帰した1日、迷いが消えた。
8回は、まさにそんな状況だった。表の守備で同点とされたうえ、阿部が負傷交代し、嫌な雰囲気が漂い始めた。直後の打席で、村田は「2死だし大きいのを狙う」と意を決した。2ボール後の3球目。本塁打を狙った「マン振り」は空振りだった。そして、次の球を仕留めた。「阿部さんが負傷したし早い段階で点が取れて良かった。本塁打は素晴らしいですね」とホッとした表情を見せた。
6回には3ボールから「勇気を持って振った」とフォークを先制適時打につなげるなど、思い切りの良さが戻ってきた。先制打と決勝打の活躍に、原監督も「非常に打撃の形が良いと思います。しっかりああいう場面で決めてくれたのは大きい」と復調を感じ取る。
チームは4連勝で70勝到達。村田は「マジックを減らすのは初めてで、いい体験をさせてもらいながら毎日必死にやってます」と笑いつつ、最後はお立ち台から呼びかけた。「絶対優勝しましょう!」。長距離砲の目覚めは、Vロードを進む巨人の歩みをさらに加速させる。【浜本卓也】



