<ヤクルト1-0中日>◇2日◇神宮
三塁を回って、本塁にかえる川本を見つめ、クールなヤクルト村中恭兵投手(24)もさすがに興奮していたのか。9回2死一塁、福地のサヨナラ打が飛び出だし「ワーって思いました」。お立ち台では、いつも通り棒読み気味にはにかんだ。
シーズン最終盤に、成し遂げた仕事は大きい。中日相手に連続完封。投手陣の柱だった館山が登録抹消になった日に、連続無失点イニングを23回に延ばした。「調子はあまりよくなかったんですが、川本さんのリードのおかげです」と言う。コントロールを乱せば、原点の外角低めをイメージして修正。9回2死一塁、中日荒木への118球目が、外角低め144キロ直球だった。球速以上の伸びがある。9回120球で、6安打無失点の快投だ。
不調で2軍落ちした8月上旬、伊藤投手コーチとミニキャンプを行って復活したが、その後も走り込みを欠かさない。同コーチは「まだ若い。自分に限界をつくってはいけない」と、酷暑の神宮で汗をかいた。その上で、今は自覚も促される。その日の練習は自分で決断。遠投に体力強化、勝つための練習を選択し、結果を出している。
終盤でも落ちない球威。今は「少々甘くてもいい」と、力で押す気概がある。小川監督は「すごく成長を感じる。1軍で投げて5年になるけど、これだけ続けていいのは初めて」と評した。サヨナラ打の福地には「引き分けに終わったらいじけると思った」と言われた。みんな村中を勝たせたい一心で団結した。
チームは7月5日以来、約2カ月ぶりの3連勝。歓喜の試合終了直後、広島のサヨナラ負けが決まった。さあ、1ゲーム差。反攻の9月、チームの中心に村中がいる。【前田祐輔】



