来春のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)の日本代表監督は、元広島監督の山本浩二氏(65)を軸に人選が進められていることが5日、分かった。選任を一任されている日本野球機構(NPB)の加藤良三コミッショナーは現役監督への負担の大きさを考慮し、球界OBの監督経験者に要請する方針を固めたとみられる。前回大会で日本代表のコーチを務めた山田久志氏(64)、伊東勤氏(50)ら複数の候補者がいる中で、山本氏が最有力候補として浮上してきた。

 この日、加藤コミッショナーは、現役監督について「排除はしない」としながらも「(代表監督との兼任は)過酷。大変な負担」と、両立の難しさを口にした。今月中には監督を決定する見通しで「プロフェッショナリズムを持つ方の意見も頂く必要がある」と、近くWBC特別顧問を務めるソフトバンク王球団会長に相談した上で山本氏に一本化する可能性が高くなった。

 山本氏はこの日、都内で取材に応じ「新聞を見て知った。(NPBから)接触はない」と、就任の打診はないとした。要請があった場合、引き受けるかどうかについても「仮定の話には何も答えられない」と、多くを語らなかった。ただ、代表監督の候補として名前が挙がったことについては「(名前が)出たことは光栄だし、うれしい」と、素直な喜びを口にした。WBCの参加問題も球界OBとしては心配だった様子で、参加が正式に決まり「選手会もいろいろと考えて決断したのだろうし、ファンのためにも良かったと思う」と話した。