<DeNA1-3ヤクルト>◇6日◇横浜

 DeNA中畑清監督(58)の「予告勝利」は実らなかった。試合前に「今日は必ず勝てると思う。監督になって、こんなに勝てる気持ちになったことはない」と、珍しく確信を持って話した。前日5日に11年連続負け越しが決まったばかり。チームを意気消沈させまいとばかりに、いつも以上に報道陣に明るく対応した中で飛び出した勝利宣言だった。

 勝てる理由は「相手と高崎を見てね」とシンプルに説明した。試合前の時点でDeNAが9勝8敗1分けと勝ち越しているヤクルトが相手で、先発はプロ未勝利の八木だった。一方のDeNAは開幕投手を務めた高崎を立てており、客観的に見ても勝てる要素は多分にあった。

 しかし「予感」は外れた。八木に5回まで無安打無得点に抑えられ、あわや今季2度目の悪夢さえよぎった。6回に荒波がチーム初安打を放ち記録を阻止。敵失にも付け込んで同点に追いついたが、そこまでだった。中畑監督は「相手が予想以上に良かったというギャップに選手が動揺した。八木さん、大変失礼しました」と、素直に認めるしかなかった。

 「誤算」もあった。7回2死三塁から、高崎が2ボールからバレンティンにど真ん中の直球を場外へ運ばれた。中畑監督は「行っちゃいましたじゃすまない投球。こっちがはっきり四球と指示出さなきゃいけなかったかな。オレのミスだな」と、思うようにならない展開に嘆き節だった。残り27試合。来季につなげる糧としたい。【鳥谷越直子】