<巨人4-2阪神>◇16日◇東京ドーム

 阪神金本知憲外野手(44)の惜別ムードが球場を包んだが、目をそらしてはいけない現実があった。得点は鉄人の2ランだけだ。プロ3年目の右腕秋山は3回KOされた。最終戦は黒星で終わった。今季の対戦成績は、5勝15敗4分け。トリプルスコアの惨敗だ。

 和田豊監督(50)

 やはりこういう結果で残念だし、東京ドームで1つしか勝てなかった。うちが相当、ジャイアンツに貯金を作らせることになってしまった。

 前日15日に敵地でようやく初勝利&初本塁打を記録した。長打も機動力も発揮できず、宿敵と大きく差が開いてしまった。新たに就任した中村GMを中心に、改革を進めていくことになるが、実力差をつめられるか。

 和田監督

 (金本の)打った時の下半身の使い方。若い選手はベンチで見ているが、1打席1打席、学ぶことがたくさんある。

 ベテランの「置き土産」を来季に生かせるか。頼れる男はもういない。指揮官は厳しい表情で巨人との最終戦を振り返った。

 和田監督

 この悔しさを持ち続けていかないと。今年はもう借りを返すことはできないが、来シーズンまで悔しさを持ってやっていかないといけない。

 対戦成績は3年連続で五分だったが、今季のような戦いぶりを続けるわけにはいかない。チーム再建を目指すチームにとって、打倒巨人は至上命令となる。【田口真一郎】

 ▼阪神が巨人戦最終戦に敗れて今季同カード5勝に終わり、90年と95年の6勝を下回って2リーグ分立後のワースト記録を更新した。また今季東京ドームでは、9月15日の対戦が唯一の白星。巨人の本拠地球場でシーズン1勝は、66年に後楽園で1勝に終わって以来、2リーグ制後46年ぶり2度目のワーストタイ記録。