雨が降り注いだ天候不順の中でプレーボールがかかった一戦は、阪神、広島の両チームとも雨が気になって仕方がなかったことだろう。いつまた降ってくるかわからない雨に、先に、先にリードしておきたかったはずだ。
阪神先発・村上が4回1死、5番小園に左前打、続く野間に制球力に定評のある右腕が珍しくストレートの四球を許したのは、これも雨の影響だろう。そして7番佐藤啓の投ゴロを併殺狙いの二塁に送球がそれて満塁になった(記録は村上の失策)。
この時点でスコアは1-1だから、ここで一打を浴びれば、阪神はたちまち劣勢に回っていた。だがこのピンチに決めたセカンド中野の好守が大きかった。8番床田の二ゴロを逆シングルで捕球してゲッツーを成立させた。
床田の打球は速くはなかったが、ぬかるんだ地面を転がって、ひょっとしたら二遊間を抜けそうな当たりだった。前進守備の中野はそれを処理すると、ジャンプするような姿勢で正確な本塁送球で封殺、坂本が一塁に転送で併殺をとることができた。
中野のファインプレーは広島に傾き掛けた勝負の“流れ”を渡さなかった。逆に同点の5回1死一、二塁、4番佐藤の打球は一、二塁間を抜いた。雨でスリップしたかもしれないが、広島野間が後逸し、長躯ホームインで3点を加点したのはダメージを与えた。
阪神は勝つには勝ったが、熊谷、坂本のバント失敗は反省点だった。7日から巨人、ヤクルトの上位チームとの6連戦は大事になってくる。前から言ってるように、戦力的には阪神が上回る。カードの“頭”をとって弾みをつけたい。(日刊スポーツ評論家)









