今季限りで現役引退するソフトバンク小久保裕紀内野手が41歳の誕生日の今日8日、本拠地の福岡ヤフードームでレギュラーシーズン最終戦に臨む。7日、福岡に移動前の仙台空港で「いよいよやね」と心を躍らせ、対戦するオリックス投手陣に注文を出した。

 「真剣勝負がしたいね。最後だから全部真っすぐとかはやめてほしい。ちゃんと勝負して、打てなかったら仕方がない。そりゃ真っすぐに自信があって、投げてくるならいいけどね」。引退する選手に対してよく見られる“情け”はキッパリと拒否した。

 主将の節目にふさわしい1日となりそうだ。起用法については「どんな形でもいい」とフル出場にはこだわらないが、秋山監督は「3打席くらいかな」と先発させる考えを明かした。打順は4番になる可能性もある。チケットは完売。試合後に盛大なセレモニーが行われ、小久保はマイクの前に立ってあいさつする。

 「この日のためにチケットを買ってくれたお客さんもいると聞いている。しっかりと自分の口で、これまでの感謝を伝えたい」

 自戒を込めてハスの花を携帯の待ち受け画面にしている。「ハスは根っこで泥を吸って、きれいな花を咲かせるんやで」。プロ19年間、泥水をすするような努力をしてきた。現役を終える最後の1秒まで全力プレーを忘れない。バットと言葉で「ありがとう」の気持ちを満員の観衆に伝え、CSに向かう。【大池和幸】